平成25年9月議会一般質問(全文)

皆さん、おはようございます。
自由民主党の松尾和久であります。
7月に行われた参議院議員選挙において、自民党は改選定数1の1人区で29勝2敗と圧勝し、単独で改選定数121の過半数を超えました。非改選議席を合わせると、自民・公明両党で参議院の過半数122を確保し、参議院で与党が少数のねじれ国会は解消されました。安倍首相は、安定した政権運営を進める基盤を得たことになります。
しかしながら、得票数を見てみると、必ずしも自民党の得票数が伸びているわけではありません。このことを自覚し、ねじれ国会を解消した以上は、再び国民の皆さんに信頼される政治をしっかりと着実に行っていかなければなりません。
安倍内閣では、経済再生を一丁目一番地の政策目標に掲げ、昨年12月の政権発足以来、デフレからの脱却、経済再生に取り組んでまいりました。
防衛面でも、2013年版防衛白書では、先頭に立って領土、領海、領空を守ると宣言した安倍首相の強い意向も反映して、「既存の国際法秩序とは相容れない独自の主張」、また、「力による現状変更の試みを含む高圧的とも指摘される対応」などの強い表現で、海洋権益をめぐって周辺国と対立する中国を批判いたしました。
また、9月12日には、政府の有識者会議、安全保障と防衛力に関する懇談会が首相官邸で初会合を開き、外交・安全保障政策の中長期的な指針となる国家安全保障戦略に関する議論をスタートさせました。政府は、この懇談会の議論を年内に策定する国家安全保障戦略や防衛大綱に反映させる方針です。
こうした我が国の領土・領海を守るためには、これからの日本はどうあるべきなのか、国民全体での議論が必要な時代が来たと感じています。
そこで、まず、領土・領海に関する教育についてお伺いいたします。
私は、8月6日から8日にかけて、先輩議員の戒能県議、三宅県議、そして松山市議会の原市議と一緒に、尖閣諸島へ漁場調査も兼ね視察に行ってまいりました。
8月6日夜、石垣市議会議員で尖閣諸島へ16度の上陸経験がある仲間均議員とともに漁船に乗り込み、22時、石垣島を出航いたしました。真っ暗な海の上に満天の星空が広がり、寝たり起きたりしながら航行すること7時間、8月7日午前5時、尖閣諸島の一つ、南小島の沖合に到着いたしました。
到着後、海上保安庁の巡視船からおろしたゴムボートが、我々の漁船に付き添うように警備に当たってくれました。しばらく釣り糸を伸ばし、船長が漁を行いました。10余りの釣り針のついた釣り糸を水深200mから300mに垂らし、引き上げます。一度に5匹の魚が釣り上げられるなど、尖閣諸島周辺の海域が豊かな漁場であることを感じました。
そして、午前7時ごろ、水平線のかなたから姿をあらわしたのが中国公船の海警であります。海警の船と我々の間には必ず海上保安庁の巡視船が割って入り、守られながら漁を行いましたが、時間とともに中国公船の海警が4隻にふえてくるなど、次第に漁どころではなくなりました。
それから翌日の午前11時に我々が尖閣諸島海域を離れるまでの28時間、我々の漁船に対して中国の海警は威嚇行動を取り続けてきました。その間、海保の巡視船も10隻が中国の海警に対して領海内から退去するよう再三警告を行いながら、我々を守ってくださいました。
しかし、中国の海警からも、我々に対して大きな汽笛を何度も鳴らしたり、スピーカーを使って、ここは中国の領海であり、直ちに退去せよなどと警告をしてくるなど、テレビなどを通じて見たのではなく、現実に目の前で繰り広げられている光景に、今の時代に日本の領海でこのようなことがあっていいのかと怒りを覚えました。
戦後、日米安保条約のもと、平和な時代を享受してきた日本でありましたが、今回の視察を通じて、今後、国の防衛に関して今までどおりの認識で本当にいいのだろうかと考えるようになりました。
国の防衛については、他国と領海を接していない本県なども含め、どのようにすれば子供や孫の世代にこの平和な日本を引き継いでいくことができるのか、国民全体で真剣に議論をする岐路に立っているのではないかと考えます。
そうした議論を進める上でも、領土・領海について正しい認識を持つことが必要であります。北方領土、竹島に関しては、現在、他国によって不法に占拠されており、この現状を正しく認識し、返還に向けて行動できる国民の育成が必要であると考えます。また、尖閣諸島に関しても、政府の見解のように我が国の固有の領土であり、将来にわたって正当にその領有を主張していく必要があると考えます。
学校では、学習指導要領に沿って、小学校、中学校、高等学校でそれぞれの発達段階に応じて領土・領海に関して学ぶと伺っておりますが、今回の視察で、尖閣諸島海域で中国公船が当たり前のように領海侵犯を繰り返し、日本の漁船や海上保安庁に対して中国の領海であると居丈高に主張している現場を目の当たりにしたとき、領土・領海についての教育の重要性を改めて感じました。
そこで、お伺いいたします。
本県における領土・領海に関する教育は、現在、どのようになされているのか、お聞かせください。
また、領土・領海の現状について子供たちが正しい知識を身につけることができるよう、例えば副読本を作成、配布するなどしてはどうかと考えますが、あわせて御所見をお聞かせください。
次に、障害者就労施設等からの物品や役務の優先調達についてお伺いいたします。
国や地方公共団体等による障害者就労施設等からの物品や役務の調達の推進を図ることにより、障害者就労施設等で就労する障害者等の自立の促進に資することを目的とした障害者優先調達推進法が昨年6月27日に公布され、本年4月1日に施行されました。
この法律では、国は、障害者就労施設等の受注の増大を図るため、障害者就労施設等から優先的に物品等を調達するよう努めることとされており、本年4月23日には、総合的かつ計画的に物品調達等を推進するための基本的方向を定めた基本方針が閣議決定されました。今後、この基本方針に則して、各省庁では毎年度、調達目標等を定めた調達方針を作成、公表することとなっております。
また、地方公共団体に対しましても、国と同様に、調達を推進する物品や調達目標を定めた調達方針を毎年度作成、公表するとともに、調達実績を公表することが求められております。
現在、県内には、約180カ所の就労系障害福祉サービス事業所があります。そこでは、一人一人の個性に合った働く場として、障害のある人が喜びや生きがいを持って社会参加を実現するとともに、社会的なハンデを乗り越え、持てる力をフルに生かし、試行錯誤を重ねながらも多くの仲間や社会に支えられ、いろいろな商品づくりやサービス提供に励んでおります。
その結果、魅力ある商品や質の高いサービスが提供されておりますが、せっかく生み出した製品やサービスも、民間企業との厳しい競争の中で、経営基盤の弱い就労系事業所は契約を獲得するのもなかなか難しいのが実情であります。
このような状況の中で、県におかれては、9月2日付で障害者優先調達推進法に基づく愛媛県調達方針を作成、公表されましたが、これは全国都道府県の中でも比較的早期の取り組みであり、障害者就労施設等からの物品調達等の推進に前向きに取り組む姿勢を県が示されたことは、障害者の経済的な自立を促進する上でもまことに心強いことと考えております。
これを機に、それぞれの地域において可能な範囲で障害者就労施設等から物品を調達することにより、障害者が安心して暮らせる共生社会が実現できるよう、大いに期待するものであります。
なお、強いて言えば、県の調達方針における調達目標は前年度を上回ることとなっておりますが、もっと具体的な数値目標を掲げて取り組んでいかなければ、障害者の皆さんの自立の促進に資するまでにはならないと考えます。
また、県としては都道府県の中でも比較的早期の取り組みではありますが、県だけでなく、県下20市町においても早期に調達方針を策定、公表していただきたいと思うのであります。
調達に関する具体的な取り組みとして、岡山県では、県庁内でも各障害者就労施設が何をつくっているか余り知られていないため、施設ごとの製品や値段を紹介したリストを作成し、各課に配布するとともに、大量発注に対応できる共同受注窓口があることもPRし、各課から発注の相談があれば窓口に取り次ぐなどしているとお聞きいたしました。
そこで、お伺いいたします。
今回作成した調達方針を実効あるものとするためにも、今後、県はどう取り組んでいくのか、お聞かせください。
次に、高齢者市場の開拓に向けた県内企業による新商品開発への支援の取り組みについてお伺いいたします。
内閣府の平成25年版高齢社会白書によりますと、平成24年10月1日現在、我が国の65歳以上の高齢者人口は過去最高の3,079万人となり、高齢化率は約4人に1人の24.1%となっており、とりわけ本県においては高齢化率が27.8%と全国を上回り、27年後の2040年には38.7%まで上昇すると推計されております。
申し上げるまでもなく、既に日本の消費者市場は高齢者という視点を抜きにしては語れない状況になっており、これまでも機能を基本的なもののみに絞ったり、ボタンの凹凸を大きくした商品が販売され、ベストセラーになっている高齢者向け携帯を初め、数多くの商品が開発されています。
民間の調査機関が一昨年に発表したレポートによれば、2011年の60歳以上の消費支出額は101兆2,000億円にも上り、日本の個人消費全体に占める割合は44%で、高齢者の消費支出は今後も毎年1兆円規模で拡大していくと予測されております。
こうした高齢者市場をターゲットにした新商品開発にさらに力を入れて取り組んでいくことが、本県産業の振興につながることは疑う余地もありません。
しかし、一言で高齢者市場といっても、高齢者は健康、所得、キャリア、価値観等の違いにより極めて多様なニーズを持っており、そのどのニーズにターゲットを絞って新商品開発を目指していくのかということが重要になりますが、私は、新技術に基づく新商品を開発しようという発想だけではなく、顧客である高齢者などのニーズをしっかりと把握し、協力を得ながら、県内企業が持つ既存の自社商品をより高齢者向けの商品に改良していくことがビジネスチャンスを拡大する近道ではないかと思っています。
県におかれては、これまでも県内企業による県産品の機能性成分などを生かした健康食品の技術開発を支援してこられておりますが、今後は、高齢者のニーズに対応し、高齢者の生活の質向上に役立つ新商品を県内企業が数多く開発できるよう、さらなる積極的な支援を期待する次第であります。
そこで、お伺いいたします。
今議会にも関連予算が計上されておりますが、今後、ますます拡大が見込まれる高齢者市場の開拓に向けた県内企業による新商品開発への支援について、県のこれまでの取り組み状況と今後の対応についてお聞かせください。
次に、県の消費者行政の取り組みについてお伺いいたします。
政府は、本年6月21日に、消費者庁発足後初の法定白書となる平成25年版消費者白書を閣議決定いたしました。それによると、消費生活相談の総件数は減少傾向にある一方で、高齢者の相談は増加しています。平成24年度は平成19年度と比較して34.7%増加しており、高齢者の消費者トラブルがより深刻化している実態が明らかになったところであります。
本県におきましても、平成24年度に県の消費生活センターに寄せられた相談件数は3,345件に上っています。また、件数が前年度より減少する中で、70歳以上の方からの相談が唯一増加しているほか、最近急増している健康食品の送りつけや依然として多い金融商品に関する相談は、いずれも60歳以上の方からの割合が約9割を占めており、金融商品にかかわる相談で金額が確認できた平均契約金額は約1,600万円ということであります。
ちなみに、全国の相談件数は約85万件であり、また、消費者庁の調査では、被害を受けた人で誰にも相談しなかった人の割合が約3割に達するとされており、とりわけ高齢者を中心に十分な救済が図られていないのではないかと強く危惧するものであります。
国において平成21年9月に創設された消費者庁は、消費者行政の司令塔として、消費生活相談でどこに相談してよいかわからない場合に利用できる全国共通の電話番号による消費者ホットラインの整備や、全国の消費生活センター等で受け付けた相談の情報ネットワークシステムの刷新、さらに、地方消費者行政活性化基金の財源を措置するなど、全国の消費者行政の育成・強化に取り組んできました。
県内でも、この基金を活用して、市町の相談窓口機能の体制整備や県の消費生活センターの中核機能の強化などを図っていると聞いておりますが、消費者トラブルは依然として絶えません。
家計消費は経済全体の約6割を占めると言われておりますが、インターネットの普及等を背景とした新たな商品サービスの出現や高齢化の進展など、消費者を取り巻く状況が変化する中、県民が安心して消費生活を営める環境を整えることが大切だと考えるのであります。
そこで、お伺いいたします。
県では、現在、消費者被害に対応するため、どのような取り組みを行っているのか。また、今後、どのような考えで取り組んでいくのか、お聞かせください。
次に、教育現場の問題についてお伺いいたします。
今、小学校、中学校ともに、先生が体調を崩すことが多いとお聞きいたします。
若い先生のお話を聞いてみると、新任で学校現場へ配属された際、子供への授業に関すること以外にも、学校行事や地域とのかかわりなど、初めて経験することが多いとのことです。そこで、わからないことを上司や同僚の先生に聞こうとしても、皆それぞれ忙しくてなかなか聞くことができず、仕事がたまる一方で、精神的に疲れてしまうと聞いています。
そういったこともあり、新人の先生が学校現場に出てすぐに多くの仕事を抱えるなど、仕事量に対応し切れないとのことでした。現実、10年、20年前の学校現場と比べ、先生方の負担はふえる一方だとの声を多く聞きます。
子供たちの教育に携わり、愛媛の将来を担う子供を育てたいとの思いで教員採用選考試験を突破し、教育現場に立ったとき、精神的に病を抱えてしまい、胸に描いていたような活躍ができないのは残念なことであります。
2月議会で我が党の住田議員が教員の心の病への対応についてただしたところ、理事者からは、平成24年度において、管理職等に対するメンタルヘルス研修の拡充や保健師増員による相談体制の強化、心の相談窓口カードの全教職員への配布等に取り組んだとの答弁がありました。
そこで、お伺いいたします。
県教育委員会は、教員の精神的な病について、現状をどう把握し、どのように対応しているのか。また、昨年度の取り組みの実績はどうか、お聞かせください。
また、文部科学省の平成23年度公立学校教職員の人事行政状況調査によると、教員が1年間の条件附採用期間を経て正式採用とならなかった者が、平成21年度に全国で317名、22年度に296名、23年度に315名おり、そのうち精神疾患で依願退職した者が21年度83名、22年度91名、23年度103名と徐々にふえ、全国的に見れば、23年度では、1年でやめてしまった教員の約3分の1が精神疾患を理由としているとのことであります。
このようなことから、一部では、教員の選考について、教員としての適格性をより高い精度で見るべきではないかとの指摘もあります。
そこで、お伺いいたします。
本県の教員採用選考試験において、適格性や忍耐力、精神力を含めた人間性をどのように見ているのか、お聞かせください。
最後に、文化財保護の取り組みについてお尋ねいたします。
去る8月10日、松山市道後湯月町にある一遍上人ゆかりの宝厳寺で火災が発生し、本堂に安置されていた重要文化財、木造一遍上人立像が焼失いたしました。
私も何度か宝厳寺を訪れた際、一遍上人立像を見せていただいたことがあります。和尚さんも気さくな方で、一遍上人のお話などをユーモアを交えながらお話しくださいました。
この道後の宝厳寺に重要文化財である木造一遍上人立像が安置されていたことは、松山市民でも余り認知されていませんでしたが、観光名所の一つになり得るスポットであり、今回の火事でけが人がなかったことは不幸中の幸いでございましたが、先人が長い年月守ってきたかけがえのない文化財が失われてしまったことは痛恨のきわみであります。
文化財はそれぞれの地域の歴史や文化を物語る地域の財産であり、県内には、国宝の宝庫と言われる今治市の大山祇神社を初め、県都松山市の松山城や道後温泉、萬翠荘、新居浜市の産業遺跡、南予の古い町並みなど、すぐれた文化財が数多くあります。
国の登録有形文化財に登録される内子町の旭館では、6月に45年ぶりに映画が上映されたところであり、町並みの保存はもとより、地域の活性化にも一役買っています。
また、昨年12月、八幡浜市の日土小学校が戦後の学校建築としては全国で初めて国の重要文化財に指定されたことは記憶に新しいところであります。
日土小学校は、中校舎が昭和31年、東校舎が昭和33年に八幡浜市の職員であった松村正恒氏により設計されましたが、校舎で学ぶ子供たちが快適に過ごせることを最も重視して考えられており、戦後の新しい教育を行う空間をいち早く実現しています。
平成16年9月に台風被害を受けて屋根が吹き飛び、耐震性や老朽化の問題もあり、地元で建てかえか復元保存かの議論が起こりましたが、八幡浜市の英断により、平成20、21年度の間に必要な安全基準を満たしながら建築当時の姿を忠実に保存再生されました。八幡浜市が保存再生工事の詳細な報告書を作成し、地域が一丸となって建築学会や国へアピールを続けていき、このことが国の重要文化財指定につながったところであります。
私も建設委員の一人として委員会視察で訪問させていただきましたが、国の重要文化財に指定される少し前の平成24年10月に、歴史的建造物や文化遺産の保護・保全を目的とする非営利団体ワールド・モニュメント財団のモダニズム賞を受賞するまでの地元の皆さんの取り組みのお話などをお聞きし、日土小学校が地域の誇りとして大切に思われながら守られていることを感じました。
現在も、重要文化財であることを誇りに学校が守られ、何よりも子供たちの学びの場としての環境を重視しながら、学校の夏休みなどには内部を公開し、全国から多くの人が訪れるなど、地域のシンボルとして欠かすことのできない重要な財産となっています。
先人が残してくれたこれらの貴重な文化財を火災や盗難から守り、大切に後世に伝えていくことは、県民全ての重要な使命であります。
そこで、お伺いいたします。
今回の松山市宝厳寺での重要文化財の焼失という事態を踏まえ、今後、防火・防犯を含め、文化財の保護にどのように取り組んでいくのか、お聞かせください。
以上で私の質問を終わります。
質問の中でも申し上げましたが、今回、尖閣諸島海域への視察は大変意義深いものがありました。政治は、やはり現場へ足を運び、みずからの目で確認し、耳で聞いて、肌で感じることが大切だと改めて認識いたしました。今後とも議員として信頼されるよう、現場へ出て努力してまいりたいと思います。
御清聴ありがとうございました。