平成26年2月議会一般質問(全文)

皆さん、おはようございます。自由民主党の松尾和久でございます。
まず、救急医療体制の維持、再構築についてお尋ねいたします。
これまでも、県議会において地域の救急医療について質問されてまいりましたが、現在、県内でも何とか救急医療体制が維持できていると言われていた松山市においても救急医療体制の維持が喫緊の課題になっていることを踏まえ、その重要性に鑑みて質問させていただきます。
これまでも、県では、救急に限らず医師不足対策が将来の地域医療にとっての最重要課題と捉え、医師確保対策推進事業、救急医療医師確保事業や地域医療医師確保奨学金貸付金制度など、医師不足解消のためにさまざまな施策をとってまいりました。
しかしながら、2004年から導入された新医師臨床研修制度による研修医の大都市への集中が進み、医師の不均衡な地域偏在によって地方での医師確保が困難になる中、劇的に現状を好転させることは難しい状況となっております。また、救急医療の最前線においても、研修医のアルバイトが禁止されてからは、特に休日や夜間の医師不足が顕著になってきています。
松山市内の救急医療の現状を見ても、大学からの医師派遣が困難になってきており、常勤医だけでは体制の維持が難しくなっています。実際、深夜帯の医師が確保できないとして深夜救急を休止せざるを得ない老舗病院も出てきております。輪番のグループ編成がえも行われましたが、本質的な改善はできておらず、この問題は氷山の一角にすぎないという指摘もあります。また、県内各地の内科、小児科の夜間や休日の一次救急医療の現場でも、患者数が増加する一方で出務医師の高齢化が進んでいて、医師の確保は深刻な問題になっています。
松山市内だけでなく、隣接する今治市においても救急を担っているドクターにお聞きすると、もう限界が来ているとの話も出ました。また、八西地域においても曜日によっては救急患者の管内での受け入れが不可能な状態が続いていると聞いています。現在の状況は、救急医療を担っている医師の情熱や使命感によってどうにか維持できている状況であり、救急担当医師の高齢化が進んでいる現状では、それぞれの医師が過労などで倒れた場合には、もはやその日から救急医療のカバーができないとのことです。このような救急医療の状況があと数年も維持できるとは到底考えられません。抜本的な改革が必要とされる理由がここにあります。
また、松山市内で救急搬送されて入院される患者数は、平成20年度では6,296人であったのが平成24年度では7,846人と増加傾向にあります。
こういったことも踏まえ、松山市医師会では平成26年1月5日から救急体制維持のためのモデル事業を開始いたしました。これは、先ほども触れましたように、輪番制病院の1病院が深夜帯の救急担当を辞退するという事態が起こったことで、他の病院の負担が増加し、連鎖的に輪番制を辞退する病院が続きかねないとの危機感から、松山市医師会の外科系、つまり外科、整形外科、脳神経外科の3外科系医師の有志の先生方が協力して、輪番制2病院の休日当番日に要請があれば応援に出務し、輪番制病院の負担軽減を図るものであります。
これも一つの工夫で、現在の努力を評価しなければなりませんが、これのみでは抜本的な解決策にはなりません。医師会の医師の皆さんの努力だけでは今後の救急医療体制の維持は難しくなってくることは明らかな状況の中で、行政もともに議論をし、持続可能な体制構築を図ることが求められていると思います。
現在、例えば中予地区では中予ブロック地区合同救急医療対策協議会が地区内の自治体や消防、医師会などが参加して開催されているようですが、その会議は年1回と聞いております。年1回の会議では現状の報告にとどまり、なかなか今後に向けての建設的な議論は進まないため、踏み込んだ議論をするには県が広域的な視点からリーダーシップをとって、もっと議論にかかわっていく必要があると考えます。
そこで、お尋ねいたします。
このような厳しい救急医療現場の状況を踏まえ、救急医療体制を維持するためにどのように仕組みを再構築するのか、県のお考えをお聞かせください。
また、医師確保対策が喫緊の課題でありながら、かつ将来を見越して息の長い取り組みが必要とされる現状を踏まえると、現在ある人材を有効に活用する施策や愛媛大学医学部地域枠の拡充だけでなく、例えば県外の医学部に入学した愛媛県出身者の帰郷を促す魅力づくりであるとか、県外出身の医学部卒業生を愛媛県に呼び込む施策が必要であると考えます。
さらに、現在の救急医療の崩壊は、単に医師の絶対数の不足ということだけではなく、長時間労働や少ない報酬、訴訟リスクから医学部卒業生が自身の診療科目を選択する際に特定の診療科目を敬遠することによる診療科の偏在が要因の一つになっています。今後の医師確保対策や診療科の偏在について、県の見解をお伺いいたします。
続いて、災害医療体制についてお尋ねいたします。
未曽有の被害をもたらした東日本大震災からはや3年が経過しようとしておりますが、本県においてはその教訓と課題を踏まえて、南海トラフ巨大地震等を想定した防災・減災対策を県政の最重要施策の一つに掲げ、全力で取り組まれていると認識しており、大変心強く感じているところでございます。
しかしながら、県が昨年8月に公表した県地震被害想定調査結果(第一次報告)によると、地震動については南海トラフ巨大地震による最大クラスのもので県下のほぼ全域で震度6弱以上、最大震度7の市町は13市町に及び、津波については最高津波高が21.3m、浸水面積は国の想定の約2.8倍となる1万1,995haとなっております。
また、昨年12月に公表した調査結果の最終報告によると、建物被害は約24万4,000棟、人的被害のうち死者数は約1万6,000人、負傷者数は4万7,000人を数え、また、施設等の直接被害としての経済被害は16.2兆円に上るとの推計結果が出されており、こうした調査結果に鑑みると、防災・減災対策はいまだ道半ばとの感が否めません。
南海トラフ巨大地震等による人的、物的、経済的被害は、県の最終報告でも示されているように、建物の耐震性の強化、家具等の転倒・落下防止対策の強化、津波避難の迅速化などにより大幅に縮小させることが可能であり、行政や関係機関はもとより、県民一人一人がそのことをしっかりと認識し、十分な備えを進めておくことが大切であると考えております。
一方で、どのような事前対策を講じようとも被害をゼロとすることは極めて困難なことであり、災害から生ずるさまざまな被害に対していかに対処、対応するか、できるかが重要であります。中でも人命に直結する災害医療の分野については、死者を減らし負傷者を適切に処置することが最大の使命であり、災害が発生した際、被災地で必要とされる医療が迅速に提供できる体制の整備が県民の安心・安全につながるものと認識しております。
今回の調査結果は、あくまでも最悪のケースを想定したものであるとのことでありますが、正しく恐れるという考えのもと、日ごろから災害医療体制の充実・強化に着実に取り組むことが重要であると考えております。
負傷者の数や医療機関の被災状況、道路や水道等のインフラの損傷状況は、災害のレベルによっても地域によっても異なりますが、予測困難な被害程度に対して柔軟に、かつ的確に対応するためには、地域の特性を踏まえた災害医療体制が必要であり、また、被災地の状況をつぶさに把握し、全県体制で支援する仕組みが不可欠であると思います。
そこで、お伺いいたします。
県では、県地震被害想定調査結果(最終報告)を踏まえて、災害医療対策を今後、どのように進めていかれるのか、お聞かせください。
次に、木造住宅耐震化促進事業についてお尋ねいたします。
愛媛県地震被害想定調査結果(最終報告)によりますと、計測震度6.4の場合、全壊の可能性がある確率は3つの区分、昭和37年以前、昭和38年から46年、昭和47年から55年の間に建てられた木造建築物について、それぞれ71%、60%、41%と高い確率になっております。これに半壊の可能性を加えると、全半壊する確率は3区分とも80%を超えております。一方で、昭和56年以降に建てられた木造住宅の全半壊率は30%台半ばと大幅に減少いたします。
県では、平成23年度6月補正予算で昭和56年5月以前に建築された木造住宅の耐震化を支援する木造住宅耐震化促進事業を初めて計上し、それ以降、平成24年度、25年度と当初予算で事業継続してまいりました。しかしながら、平成24年度では682万1,000円で46件の利用、平成25年度では1月末時点で1,095万円で73件の利用にとどまっており、県の御努力もあり利用者は若干伸びてはおりますものの、県が想定している申請件数には届かない状況となっております。
これまで、私も一般質問でこの木造住宅耐震化促進事業を取り上げてまいりました。その際にも内閣府が公表した南海トラフ巨大地震での被害想定が津波による被害よりも建物倒壊による被害者の数が甚大となると予想されている一方で、耐震化を行えばその数は激減するとの調査結果を踏まえ、耐震化の重要性を訴えてこの事業の活用を県民にどのように進めていくのか御答弁いただいたところであります。
また、建設委員会においても耐震化に通常150万円から200万円ほどの費用がかかると言われる中で、補助上限が60万円のところを増額してでも県民の皆さんに命を守る投資として耐震化をしていただき、本事業を活用していただく方がよいのではないかとも訴えてまいりました。
そこで、お尋ねいたします。
木造住宅の耐震改修工事費用に対する補助の上限額を平成26年度当初予算案で拡充しておりますが、拡充した目的とその内容についてお聞かせください。また、これまでも技術者への講習会や地震対策講座などを通じて県民の皆さんへ耐震化の効果や改修事例を紹介するなど、利用促進に向けて周知を図ってこられておりますが、制度の利用向上を図るには業者の皆さんへのより一層のアプローチも必要であると考えます。利用促進策をどう考えておられるのか、あわせてお聞かせください。
次に、耐震化という観点で特定建築物耐震化の促進についてお尋ねいたします。
平成25年11月25日に施行された改正耐震改修促進法では、1981年以前に建設された病院、店舗、旅館等の不特定多数の者が利用する建築物及び小中学校、老人ホーム等の避難弱者が利用する建築物のうち、大規模なもの等について、所有者に対し、耐震診断の実施とその結果の報告を義務づけ、所管の行政庁において当該結果の公表を行うこととなりました。
しかし、民間の企業にとって耐震性が不十分ということが公表されれば、企業経営にとって死活問題になりかねないとの懸念を持っております。このことは、昨年7月の建設委員会でも補助制度などの充実を図っていただきたいと要望し、対応を検討するとの答弁もいただいておりました。
そこで、お尋ねいたします。
今回の法改正により平成27年12月31日までに耐震診断と報告が義務化された民間建築物の診断費用に対する補助に係る予算を本年度9月議会で計上し、今議会では診断費用に加えて耐震改修工事に係る費用の一部を補助する予算案を計上しております。本県における診断が義務化された民間建築物の現状とその耐震化の促進にどのように取り組んでいくのか、お聞かせください。
次に、担い手への農地集積についてお伺いいたします。
御案内のとおり、国は昨年12月、農林水産業・地域の活力創造プランを取りまとめ、新たな農業・農村政策の4つの改革の一つとして、今後、10年間で担い手の農地利用が農地全体の8割を占める農業構造の確立などに向け、農地中間管理機構を創設し、担い手への農地集積、集約化を加速化させようとしております。
一方、本県農業を顧みますと、平成22年農林業センサスでは、農家数は5万234戸と、この20年間で35%減少、また、75歳以上の基幹的農業従事者の割合が31%を占めるなど、農業者の減少と高齢化が進むとともに、耕作放棄地もこの20年間で10%から22%に拡大するなど、人と農地を取り巻く環境は一層厳しさを増している状況にあります。
特に、生産条件が不利な中山間地域や島嶼部、急傾斜地の樹園地を多く抱える本県において、こうした人と農地の問題を解決するためには、生産現場や関係機関等が一体となり、不利な条件を克服しながら担い手を育て、農地集積を進めていくことが強く求められております。
こうした中、県におきましては国のプランにいち早く反応し、来年度から新たにスタートする農地中間管理機構として、現在のえひめ農林漁業担い手育成公社を大幅に拡充させ、機能を強化した業務体制により意欲ある担い手が耕作しやすい環境で農地の借り手となるよう、生産条件の整備へ取り組みを強化する方向であると聞いており、人・農地プランの作成、見直しとあわせ、担い手への農地の集積が促進され、本県農業の持続的な展開が図られるよう大きな期待を寄せているところであります。
そこで、お伺いいたします。
本県の担い手への農地集積の状況と農地中間管理機構の活用など、今後、農地集積にどのように取り組んでいくのか、お聞かせください。
次に、スポーツイベントの誘致に対する取り組みについてお伺いいたします。
先日開催された愛媛マラソンは、全国のマラソン大会の中で人気ナンバーワンに輝くまでの大会に成長し、愛媛を代表するスポーツイベントとして毎年大変な盛り上がりを見せております。このような中、ことし10月には瀬戸内しまのわ2014のメーンイベントとなる国際サイクリング大会が開催されるほか、2017年にはえひめ国体が控えているなど、本県におけるスポーツへの関心がかつてないほど高まるものと考えます。
また、先般閉幕したソチ冬季オリンピックにおいては、本県出身の青野令選手が2大会連続となる出場を果たし、さらに6年後の2020年には東京でオリンピック・パラリンピックが開催されることになっており、今から青野選手のようにオリンピックでの活躍を夢見る若者や地元選手の活躍を期待する県民も少なくないと思います。
今後、えひめ国体を成功させるとともに東京オリンピックで本県選手が活躍するためには、行政や競技団体などが一丸となってさらなる競技力の向上に取り組んでいかなければなりません。折しも、東京オリンピック・パラリンピックの開催決定を受け、早くも全国各地の自治体で事前合宿の誘致等に向けた動きが活発になってきております。トップクラスの選手が本県で合宿や競技大会を行うことになれば、レベルの高い技術などを間近に見ることができる貴重な機会となり、選手の競技力向上や本県のスポーツ振興に寄与することはもとより、えひめ国体に向けた県民の機運の盛り上げにもつながるものと考えます。
そこで、お伺いいたします。
2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催が決定し、全国的に事前合宿等の誘致活動が活発になってきている中、他地域に誘致活動でおくれをとらないために、県として事前合宿やスポーツ大会などの誘致にどのように取り組んでいくのか、お聞かせください。
最後に、いじめ問題についてお伺いいたします。
平成23年10月に起きた滋賀県大津市の中学2年生のいじめによる自殺問題は、学校や教育委員会の対応が厳しく問われるなど、社会に大きな影響をもたらす事件に発展し、さらに、この事件をきっかけに全国各地で同様の事案が相次いで明らかとなりました。
昨年12月に公表された文部科学省の全国調査結果によると、平成24年度に全国で認知されたいじめの件数は約19万8,000件と、平成23年度の2.8倍に増加し、いじめの定義が見直された平成18年度以降、最多の認知件数となりました。本県においても公立学校では761件のいじめの認知があり、平成23年度から34件増加したと伺っております。
このような中、安倍内閣では教育改革を最重要課題の一つに掲げ、昨年1月の教育再生実行会議において、安倍首相はいじめや体罰に起因して子供のとうとい命が絶たれる痛ましい事案は断じて繰り返してはならないと、いじめ対策に早急に取り組む強い決意を示し、平成25年6月21日に与野党6党の提出によるいじめ防止対策推進法が成立、同年9月28日に施行されたところであります。
この法律は、いじめの防止等のための対策に関する基本理念を定め、国及び地方公共団体や学校等の責務を明らかにし、いじめ防止のための基本的な方針の策定や組織体制づくりなどを定めることにより、いじめ防止対策を総合的かつ効果的に推進することを目的としております。
同法では、国に対してはいじめ防止基本方針の策定が義務づけられるとともに、地方公共団体にはいじめ防止基本方針の策定が努力義務とされ、国においては昨年10月11日にいじめ防止等のための基本的な方針が策定されたところであり、本県においても速やかに対応する必要があるものと考えます。
また、児童等の生命、心身または財産に重大な被害を生じさせるなどの重大事態への対処について規定されており、あってはならないことですが、本県において重大事案が発生した場合に、教育委員会のみならず県全体で対応する体制を整備しておくべきではないかと考えます。そして何よりも、このような重大事態に至る前に、いじめを抑止することやいじめを起こりにくくする学校づくりなど、未然防止の対策にさらに力を注いでいくべきだと考えます。
そこで、お伺いいたします。
県では、いじめ防止対策推進法の施行を踏まえ、今後、いじめ防止対策の充実・強化にどのように取り組むのか、お聞かせください。
以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。